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年齢別に徹底解説!幼児期から学童期までの栄養と食事のポイント

子供の成長は目覚ましく、その時々で必要とされる栄養素や食事の量も変化していきます。ミルクが中心だった乳児期を終え、大人と同じものを食べ始める幼児期、そして心身ともに大きく成長する学童期。今回は、子供の成長段階に合わせて、特に意識したい栄養素や食事のポイントを年齢別に詳しく解説します。 1.幼児期前期(1歳半~3歳ごろ):食事の楽しさを知る時期 離乳食を卒業し、大人と同じものを食べ始めるこの時期は、食習慣の基礎を作る大切な期間です。 栄養のポイント: カルシウムと鉄分: 骨や血液が活発に作られるため、牛乳・乳製品、赤身の肉、青菜などを意識して取り入れましょう。 タンパク質: 筋肉や臓器の発達に不可欠です。肉、魚、卵、大豆製品をバランス良く。 食事のポイント: 手づかみ食べを大切に: 食べ物を手で触り、感触や温度を確かめることは、食への興味関心を育みます。汚れても良い環境を整えて、存分にやらせてあげましょう。 薄味を基本に: 素材そのものの味を覚える大切な時期です。大人の食事から取り分ける際は、味付けをする前に取り出すなどの工夫を。 食べムラ・遊び食べ: この時期特有の悩みですが、食事は楽しい時間だと伝えることが何より大切です。叱るのではなく、短時間で切り上げるなどのルールを決めるのも一つの方法です。 2.幼児期後期(4歳~5歳ごろ):活動量が増え、食の世界が広がる時期 運動能力が向上し、外で遊ぶ時間も増えてくる時期。消費するエネルギーも増えるため、しっかり食べることが重要になります。 栄養のポイント: エネルギー源(炭水化物): 活動量に見合ったエネルギーを確保するため、ごはんやパンなどの主食をしっかり食べさせましょう。 ビタミン・ミネラル: 体の調子を整え、風邪に負けない体を作るために、野菜や果物を積極的に。 食事のポイント: 食事リズムの確立: 朝・昼・晩の3食とおやつ(補食)の時間を決め、生活リズムを整えましょう。 配膳や片付けのお手伝い: 「自分でやる」意欲が高まる時期。簡単なお手伝いを通じて、食への関心を高めるチャンスです。 様々な食材との出会い: 苦手な食材も、調理法や見た目を変えることで食べられることがあります。諦めずに食卓に出し続け、食材の幅を広げていきましょう。 3.学童期(6歳~12歳ごろ):脳と体が大きく成長する時期 小学校に入学し、勉強や運動など、活動の幅が大きく広がります。脳の働きをサポートし、丈夫な体を作るための栄養が求められます。 栄養のポイント: カルシウムとビタミンD: 骨が最も成長する「ゴールデンエイジ」。骨の材料となるカルシウムと、その吸収を助けるビタミンD(きのこ類、魚類、日光浴など)をセットで摂ることが重要です。 鉄分: 集中力や学習能力にも関わる栄養素。特に女子は月経が始まることを視野に入れ、意識的に摂取したい栄養素です。 DHA: 脳の神経細胞の発達をサポートします。青魚に多く含まれています。 食事のポイント: 朝食を必ず食べる習慣を: 朝食は、寝ている間に下がった体温を上げ、脳と体に一日の始まりを告げるスイッチです。集中して授業を受けるためにも、朝食は欠かせません。 「個食」を避ける: 家族とのコミュニケーションが減りがちな時期だからこそ、できるだけ家族そろって食卓を囲み、楽しい会話とともに食事をする時間を大切にしましょう。 スポーツをする子への配慮: 運動量が多い子は、エネルギーやタンパク質、汗で失われるミネラルなどを補う必要があります。練習前後のおにぎりや果物などの補食も上手に活用しましょう。 【まとめ】 子供の成長段階に応じて、食事の役割は変化します。しかし、どの時期にも共通して大切なのは、「食事が楽しい時間である」ことです。栄養バランスを考えつつも、あまり神経質になりすぎず、子供の「食べたい」気持ちを育んでいくことを目指しましょう。

季節の変わり目に負けない!子供の免疫力を高める食事のヒント

保育園や幼稚園、学校での集団生活が始まると、子供は様々なウイルスや細菌に触れる機会が増え、風邪をひきやすくなります。特に季節の変わり目は、体調を崩しがちで心配になりますよね。ウイルスに負けない強い体を作るためには、日々の食事がとても重要です。今回は、子供の「免疫力」を高め、体を内側から守るための食事のヒントをご紹介します。 1.免疫力の土台は「バランスの良い食事」 まず大前提として、特定の食材だけを食べれば免疫力が劇的に上がる、という魔法のような食品はありません。免疫細胞も体の一部であり、体全体が健康であってこそ正常に機能します。 炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの「五大栄養素」を偏りなく摂ることが、免疫力を維持するための基本中の基本です。主食・主菜・副菜のそろったバランスの良い食事を心がけることが、強い体づくりの第一歩となります。 2.免疫システムを支える!積極的に摂りたい栄養素 バランスの良い食事を基本としながら、特に免疫機能と深く関わる栄養素を意識して取り入れることで、より効果的に体を守ることができます。 ビタミンA(β-カロテン):のどや鼻の粘膜を強化 のどや鼻の粘膜は、ウイルスの侵入を防ぐ最前線のバリアです。ビタミンAは、この粘膜を健康に保つ働きがあります。油と一緒に摂ると吸収率がアップします。 【多く含まれる食品】 にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜 ビタミンC:免疫細胞の働きをサポート 白血球などの免疫細胞の働きを助け、抗酸化作用によって体を守るビタミンです。水に溶けやすく熱に弱い性質があるため、生で食べられる果物や、調理時間を短くするのがおすすめです。 【多く含まれる食品】 ピーマン、ブロッコリー、じゃがいも、キウイフルーツ、いちご タンパク質:免疫細胞そのものの材料 免疫細胞や抗体など、免疫システムの主役となる物質はタンパク質から作られています。不足すると免疫機能が低下してしまうため、毎食欠かさず摂りたい栄養素です。 【多く含まれる食品】 肉、魚、卵、大豆製品(豆腐・納豆)、乳製品 亜鉛:免疫反応を正常に保つ 亜鉛は、新しい細胞が作られる際に不可欠なミネラルで、免疫反応を適切に調整する役割を担っています。不足しがちなので意識して摂りたい栄養素の一つです。 【多く含まれる食品】 赤身の肉、レバー、牡蠣、大豆製品 3.「腸内環境」を整えることも重要 近年、「腸」が全身の免疫システムの約7割を担う、最大の免疫器官であることが分かってきました。腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えることが、免疫力アップに直結します。 発酵食品をプラスする: ヨーグルト、納豆、味噌、チーズなどに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は代表的な善玉菌です。 食物繊維やオリゴ糖を一緒に: これらは善玉菌のエサとなり、腸内で善玉菌を増やすのを助けます。野菜、果物、きのこ類、海藻類、豆類、バナナ、玉ねぎなどに多く含まれています。 【まとめ】 子供の免疫力は、日々の食事の積み重ねによって育まれます。まずは、彩りの良い食卓を目指すことから始めてみましょう。にんじんのオレンジ、ほうれん草の緑、パプリカの赤など、カラフルな野菜には免疫力をサポートする栄養素が豊富に含まれています。 バランスの良い食事に加え、「早寝早起き」で十分な睡眠をとり、天気の良い日には外で体を動かすことも大切です。食事・睡眠・運動の3つの柱で、ウイルスに負けない元気な体を作っていきましょう。

補食orお菓子?子供の成長をサポートする「おやつ」の賢い選び方

子供にとって「おやつ」の時間は、一日の中でも特に楽しみなひとときです。しかし保護者にとっては、「どんなものを、どのくらいあげれば良いの?」と悩みの種になることも。実は、子供のおやつは単なる楽しみだけでなく、3度の食事だけでは補いきれない栄養とエネルギーを補給する「補食」という大切な役割を持っています。今回は、子供の成長を力強くサポートする、賢いおやつの選び方と与え方をご紹介します。 1.子供にとっての「おやつ」の役割とは? 子供は大人と比べて胃が小さく、一度にたくさんの量を食べることができません。そのため、3度の食事だけでは、一日に必要なエネルギーや栄養素をすべて摂取するのが難しいのです。 そこで重要になるのが「おやつ」です。おやつは、次の食事までのエネルギーを補給し、食事で不足しがちな栄養素を補うための「4番目の食事」と捉えましょう。 2.「補食」としてのおやつの選び方 子供の成長をサポートするおやつは、どのようなものでしょうか。食事で不足しがちな栄養素を補えるものを選ぶのがポイントです。 エネルギー補給に:おにぎり、ふかし芋、パンなど 体を動かすためのエネルギー源となる炭水化物を補給できます。小さめのおにぎりや、シンプルな蒸しパンなどがおすすめです。 骨や歯を丈夫にする:ヨーグルト、チーズ、小魚など 成長に欠かせないカルシウムを手軽に摂ることができます。無糖のヨーグルトに果物を加える、おやつ用の小魚などが良いでしょう。 ビタミン・食物繊維の補給に:果物、野菜スティックなど 旬の果物は、自然な甘みで満足感も高く、ビタミン補給に最適です。きゅうりや人参のスティックに味噌マヨネーズを少しつけるのも良いでしょう。 3.おやつの時間と量のルール おやつを与える上で大切なのが、時間と量を決めることです。これが曖昧だと、だらだら食べ続けてしまったり、夕食が食べられなくなったりする原因になります。 時間: 1日1~2回、時間を決めて与えましょう。目安は、食事の2時間前まで。例えば、午前10時と午後3時などが一般的です。 量: 1日に必要なエネルギーの10~15%程度が目安です。年齢によって異なりますが、お菓子なら小袋1つ、おにぎりなら小さいもの1個など、次の食事に影響しない量にしましょう。 場所: テレビを見ながら、遊びながらといった「ながら食べ」は避け、テーブルについて座って食べる習慣をつけましょう。 4.市販のお菓子との付き合い方 市販のスナック菓子やチョコレートなどを完全に排除する必要はありません。友達とのおやつ交換やイベントなど、子供の社会性を育む上でも大切な役割があります。 与える際は、「今日は特別ね」と伝えたり、「1袋だけだよ」と約束したりして、ルールを決めて与えることが大切です。糖分や脂肪分が多いものは、量や頻度をコントロールすることを心がけましょう。 【まとめ】 おやつは、子供の心と体の栄養になる大切な時間です。「お菓子」ではなく「補食」という視点を持つことで、選び方や与え方が変わってきます。手作りにこだわらず、市販のヨーグルトや果物なども上手に活用しながら、親子で楽しいおやつタイムを過ごしてください。

「食べない!」にサヨナラ。子供の偏食を克服する5つのアプローチ

「せっかく作ったのに、全然食べてくれない…」「野菜を見ると首を振る…」子供の偏食は、多くの保護者が頭を悩ませる問題です。しかし、実は2~5歳ごろの偏食は、自己主張の芽生えや味覚が敏感であることなどが原因で、多くの子供が経験する発達過程の一つでもあります。焦りやイライラは禁物です。今回は、子供の「食べたい」気持ちを引き出すための、5つの具体的なアプローチをご紹介します。 アプローチ1:無理強いしない、叱らない 食卓で最も避けたいのが、ネガティブな雰囲気です。「一口だけでも食べなさい!」と無理強いしたり、「どうして食べないの!」と叱ったりすると、子供は食事の時間そのものに苦痛を感じるようになってしまいます。 ポイント: 食べなくても「そっか、今日はいらない気分なんだね」と、一旦受け入れてあげましょう。食卓から下げて、次の食事の時間まで何も与えないようにします。お腹が空けば、次の食事でしっかり食べるようになります。大切なのは、食事=楽しい時間というイメージを壊さないことです。 アプローチ2:調理や準備に巻き込む 子供は自分が関わったものに強い興味を持つ傾向があります。買い物や料理のプロセスに参加させることで、食材への親近感が湧き、「自分が作ったもの」を食べてみたいという意欲につながります。 ポイント: 「どのトマトが美味しそうかな?」「レタスを一緒にちぎってみようか」など、簡単なことからで構いません。野菜を洗う、きのこを割く、お皿を並べるなど、子供ができる範囲のお手伝いを任せてみましょう。 アプローチ3:見た目や調理法に変化をつける 苦手な食材でも、見た目や食感が変わるとすんなり食べてくれることがあります。子供の好奇心をくすぐるような工夫を取り入れてみましょう。 ポイント: 切り方を変える: 型抜きで星やハートの形にする、スティック状にするなど。 調理法を変える: 生野菜が苦手なら、煮込んでスープにする、細かく刻んでハンバーグや餃子に混ぜ込むなど。ピーマンの苦みは、細切りより乱切りの方が感じにくいと言われています。 盛り付けを工夫する: お子様ランチのようにワンプレートに盛り付けたり、好きなキャラクターのピックを刺したりするだけでも特別感が出ます。 アプローチ4:「一緒に」「美味しいね」で楽しい雰囲気を作る 子供は周りの大人の様子をよく見ています。保護者が美味しそうに、楽しそうに食事をしている姿を見せることが、何よりの食育になります。 ポイント: 「このお魚、ふわふわで美味しいね!」「今日のニンジンは甘いね!」など、具体的な言葉で美味しさを表現しながら食べてみせましょう。子供が少しでも口にしたら、「食べられたね!すごい!」と笑顔で褒めてあげることで、自信につながります。 アプローチ5:空腹という最高のスパイスを活用する 日中の活動量が少なく、あまりお腹が空いていないために食事が進まないケースも少なくありません。生活リズムを見直し、体を動かす機会を増やすことも有効です。 ポイント: 天気の良い日は公園で思いっきり走り回る、雨の日は家の中でダンスをするなど、体を動かす習慣をつけましょう。しっかり体を動かしてお腹を空かせることが、何よりのごちそうになります。また、食事の前にジュースやお菓子を与えないことも大切です。 【まとめ】 子供の偏食は一朝一夕に解決するものではありません。大切なのは、保護者が「食べさせなければ」と気負いすぎず、長い目で見守る姿勢です。今日食べなくても、明日食べるかもしれません。様々なアプローチを試しながら、お子様のペースに合わせて、食べる楽しさを見つけるお手伝いをしていきましょう。

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